[原子力産業新聞] 2002年2月7日 第2123号 <3面>

[仏電力公社] 大規模な組織再編

フランス電力公社(EDF)は1月18日、エネルギー分野における市場競争の激化や変化に敏速に対応していくため、大がかりな組織再編を決定。同社の世界規模の活動の中で一層の合理化や統合、実績改善を目指して管理機構の近代化と再点検を図ることになったと発表した。

新体制ではまず、社内の活動を事業ごとに管理する「部門」と、EDFの専門的知見や事業が相乗効果によって持続的に発展していくよう意図した「事業ネットワーク」に再編。8人のメンバーからなる「理事会」がこれらに対して戦略的な指針を与えるとともに、投資決定、社内目標全体の実施・管理、リスク管理などを集中して受け持つとしている。新体制には2月1日付けで切り替わった。

部門は7つに分類されており、このうちの4部門は世界22カ国に及ぶ同社の活動を地理的に(1)欧州中央部(2)西欧、地中海およびアフリカ(3)南北アメリカ(4)アジア太平洋に区分けしたもの。各地区ごとの市場活動を管理していく。残りの3部門は事業分野ごとに(1)エネルギー(2)販売(3)新規事業開発−に区分しており、その中でさらに専門的技術や資産、販売先などによって細分化したという。仏国内における配電事業はほぼ従来通りで、送電グリッドを操作するRTE社は独立の機関として今後も送電網の管理にあたる。

事業ネットワークの役割は、エネルギーの生産・管理や販売、配電、輸送、エネルギー・サービスなどの各中心事業において市場競争力を維持するために最良の商慣行を促進するとともに市場傾向を先読みすること。具体的には同じ事業分野の従業員の専門知識や技術を統合したり経験を共有。最良の商慣行採用を心掛けるほか情報システムなどの資源を統合し、これら全体で相乗効果が生まれることを狙うとしている。


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