[原子力産業新聞] 2002年2月21日 第2125号 <2面>

[原子力安全委員会] ワークショップ開く

原子力安全委員会のHLW安全調査ワークショップ−国内外の動向について−が15日、東京都内で開かれた。安全委は高レベル放射性廃棄物の処分に関する安全規制等に関する課題検討について特定放射性廃棄物処分安全調査会を設けて議論を進めている。その際、国内外の意見を幅広く聞きながら検討を進めていくことを決めており、今回のワークショップもその一環として行われたもの。

このなかで講演した鈴木篤之安全委員は「高レベル放射性廃棄物処分について」をテーマに米国での高レベル放射性廃棄物処分をめぐる動きや同国の規制機関の規制の考え方、さらには日本の状況などを幅広く解説した。そのうえで、高レベル廃棄物処分に関する安全規制等の議論にあたり、(1)リスク評価にあたっての不確実性(2)安全対策の多重性・頑健性(3)評価の外部性・独立性(4)将来世代への責任の二面性(5)計画の柔軟性、技術・社会の関連性の5点を指摘した。

特別購演として、米国エネルギー省サンディア国立研究所のE.ウエブ国際協力部長が「米国の類似施設の例(WIPP)」をテーマに、米国ニューメキシコ州のカールズバッド近郊に計画が進められている廃棄物隔離パイロットプラント立地の経験等を紹介。特に規制面での対応に関しては、事業を進める側と規制する側の活発なコミュニケーションが大切と指摘し、そのための規制側の技術的なバックグラウンドを高めることが重要との考えを示した。


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