[原子力産業新聞] 2002年2月28日 第2126号 <2面>

[韓国] WANO総会が3月ソウルで

来月18、19日の2日間、韓国のソウルでWAN0総会が開かれる。南直哉電気事業連合会会長は22日の定例記者会見で「日本の事業者が世界の発事業者と力を合わせて、原子力の安全性向上に最大限努力することを申し上げたいと考えている」とした。

WANOは、1986年に起きたチェルノブイル原子力発電所事故を契機として1989年に設立された民間組織。世界の全ての原子力発電事業者が加盟しており、原チカ発電所の安全性や信頼性の向上のために、相互に情報交換や技術支援を行っている。わか国では、9電力会社のほか、日本原子力発電、電力中央研究所、電源開発、核燃料サイクル開発機構の13団体が参加している。

総会は2年に1度開かれ、全ての会員が一堂に会してWANOの活動方針を協議したり、原子力発電全般について幅広い意見交換を行う。今回は第6回目を数える。当初、昨年9月に開催される予定だったが、米国テロ事件の影響で今年3月に延期されていた。今回の総会には、世界の33の国・地域から約350名の関係者が集まる予定で、日本からも各社の社長をはじめ原子力関係者が多数参加することになっている。

南会長は、会見のなかで「自由化が進み、かつ、世界最大の原子力発電国でもある米国では、設備利用率がわが国を10ポイント近く上回るなど、原子力発電所が大変良好なパフォーマンスを示し、競争力のある電源として評価されている。さらに、昨年夏には、原子力発電の推進を中核とする原子力政策が打ち出されるなど新たな潮流が生まれている」との見解を示した。同時に「アジア地域では引き続き多くの国で原子力開発が積極的に推進されており、現任、WANO東京センターがカバーする地域には運転中の91基に加え、建設中の原子力発電所が16基、計画が明らかになっているものが10基以上もある」とし、アジア地域での原子力開発が積極的に行われている一方で、安全確保等の重要性も高まっていることをあげて、「世界の全ての原子力発電事業者が原子力発電所の安全性、信頼性の向上という共通の目的の下で経験や情報を共有しあうWANOの役割は、今後益々重要」との考えを示した、さらに「安全の実績をしっかりと積み重ねて信頼を得ることができれば、必ず原子力が求められ、新たな展望が開けると確信している」とした。


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