[原子力産業新聞] 2002年2月28日 第2126号 <3面>

[スウェーデン] スタズビック社線源輸送被曝事故の詳細判明

昨年末にスウェーデンのスタズビック社から米国ニューオリンズまで工業用イリジウム192を輸送した際に発生した被曝事故で、スタズビック社は8日付けで詳細な調査結果を明らかにした。

全ルートを通じた輸送担当従業員の被曝線量が3.4mSvに達したこの事故は、国際原子力機関(IAEA)の国際原子力事故評価尺度(INES)で暫定的にレベルIIIの評定を受けている。事故発覚後、スタズビック社がスウェーデン放射線防護研究所(SSI)の検査官とともに問題の輸送容器を開けたところ、3つのカプセルのうち2つで内側のパッケージが適切に密封されていなかったことが判明。容器外側の遮蔽板を突き抜けて放射線が漏れたと断定されている。同社はまた、放射能漏れはなかったものの過去に1回、同様の梱包不備があったことを認めた。

今回の事故を受けて、同社は今後、規制当局と協力しながら放射性線源の取扱いと輸送について通常業務と品質保証システムの監視を継続的に実施していくが、これまでよりも厳しい新たな輸送業務体制が完壁に整うまでイリジウム192の輸送は見合わせるとしている。


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