[原子力産業新聞] 2002年3月14日 第2128号 <3面>

[スイス] 廃棄物基金に14億フラン

スイス連邦政府のエネルギー省が2月15日付けで伝えたところによると、使用済み燃料など放射性廃棄物の長期管理のために創設された基金に同国内の原子力発電会社がこれまでに払い込んだ金額は14億スイスフラン(1134億円)に達している。

「中央廃棄物管理基金」は、84年に設置された原子力関係施設の廃止措置基金と並行して2000年に政府が導入を決めた制度。スイス国内で稼働する原子炉5基が40年の運転寿命を終えるまでに、使用済み燃料などの放射性廃棄物を長期的に管理していく資金を確保するのが目的だ。電力会社ごとの拠出額は長期的な総経費の見積もりに従って計算されるが、電力4社はこの額を130億フラン(約1億円)と試算。この3分の1は、原子炉が閉鎖される前の必要経費として使われるとしており、2000年末まででこの使途のためにすでに34億フラン(2754億円)が支出されたとしている。

原子力発電会社はまた、定期的な払込みのほかに、基金の総額が各原子炉の運転開始以降、毎年定期的に払い込んだ場合と同レベルになるよう、5年以内に追加の支払いも義務づけられている。

同基金によって電力会社は効率的な集中資金確保が可能になったわけで、今年末までにさらに1億8000万フラン(145億8000万円)が同基金に払い込まれる予定だ。


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