[原子力産業新聞] 2002年3月21日 第2129号 <2面>

[文部科学省] RI廃棄物処分めぐり説明会

RI・研究所等廃棄物に関する説明会が18日、東京港区の石垣記念ホールで開かれ、今後の重要な課題のひとつであるRI・研究所等廃棄物の処理・処分に関する国の取り組みなどが報告された。

文部科学省の坂田東一審議官は冒頭あいさつし、「RIを使った医療等の研究をしっかりやっていくため、また後の世代に負担をかけないために処分の体制をしっかりしておくことが大変重要」との考えを示した。また、同氏は文部科学省で先月から「RI・研究所等廃棄物の処分に関する懇談会」を設けて処分事業の実施主体に関する基本的考え方、処分車業の実施に係る制度の在り方等について検討を始めたところであることを紹介。「資金の面や主体の問題等について懇談会を通じて考え方の整理をすすめていく」とした。

また基調講演を行った富士常葉大学助教授で生活環境評論家の松田美夜子氏は、日本の廃棄物・リサイクルに関する法令等の説明をするとともに、スウェーデンやドイツなどで進められている有害廃棄物の処分事業やRI等廃棄物の処分研究等の実例を交えてわかりやすく紹介し、すでに欧米で定着してきている考え方として、発生者が費用を負担するという発生者責任の考え方を説明、この考え方にたってRI等の廃棄物をどう管理していくかを広く議論していくことが重要と強調した。

原子力研究バック・エンド推進センターの足立守・廃棄物事業本部長は、同センターの取り組みを報告し、RI・研究所等廃棄物の処分に関する基本的な考え方と処分施設の立地等について説明した。同氏は、現在、RI・研究所等廃棄物処分場の立地活動を進めるにあたり検討すベき主な課題を整理。放射線障害防止法等の関係法令の整備や、資金計画の策定、処分揚の立地に伴う地域振興の資金の仕組み、RI・研究所等廃棄物処分事業への損害賠償制度の適用などをあげた。


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