[原子力産業新聞] 2002年3月21日 第2129号 <3面>

[ロシア最高裁] 再処理後の廃棄物返還を指示

ロシア原子力学会が2月末に伝えたところによると、ロシア最高裁判所はこのほど、98年に政府が下した決定を取消し、ハンガリーの使用済み燃料を再処理して出てきた廃棄物はハンガリーに返還するよう命じた。

ハンガリーは97年に使用済み燃料をロシアに送る許可をロシア原子力省(MINATOM)から取得。98年に両国が結んだ協定により、ロシアは再処理後の放射性同体廃棄物および再処理生成物をハンガリーに返還せず、ロシア国内に留め置くことが可能だった。しかし今回、チェリヤビンスク地方の環境保護団体の提訴により最高裁はこの例外措置的な協定を無効とする裁定を下したもの。

当時の法律では再処理目的の放射性物質をロシアに輸入することは禁じられており、再処理後の廃棄物は発生国に返還するよう定められていた。また、今年1月にV・プーチン大統領が署名した新しい環境保護法でも、ロシアは再処理後の廃棄物を返還する優先権を有している。現在MINATOMは、使用済み燃料の発生国に廃棄物の返還を拒否するオプションを与えるなど、ロシアが外国の使用済み燃料を受け入れられるよう新しい規制の枠組みを検討しているところだ。


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