[原子力産業新聞] 2002年3月28日 第2130号 <1面>

[九州電力] 熱出力一定運転を開始

九州電力はこのほど、わが国初の定格熱出力一定運転を、玄海原子力発電所1・2号機(各PWR、55万9000キロワット)および、川内原子力発電所1号機(PWR、89万キロワット)において開始した。

定格熱出力一定運転は、CO2の排出量削減に貢献出来るものであることから、全ての原子力発電所において実施する方針を打ち出した同社は2月8日、玄海1・2号ならびに川内1・2号で定格熱出力一定運転を実施した際の発電設備の健全性評価を、経済産業省へ提出していた。そして今月8日には同省より、「その内容の妥当性の確認を終了した」との通知を受領。その後諸準備が整ったことから、玄海1号機および川内1号機は20日から、また玄海2号機は22日から、定格熱出力一定運転に入った。なお川内2号機については、4月から第13回定期検査が予定されているため、発電再開後に実施する計画という。

定格熱出力一定運転とは、原子炉の熱出力を原子炉設置許可で認められた最大値である定格値で一定に保って運転する方法。冬期のように海水温度が低く発電所の熱効率が向上する時期には、原子炉の熱出力を下げなければならない「定格電気出力一定運転(現在行われている運転方法)」と比べ、年間平均で約2%ほどの発電電力量が増加するメリットがある。


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