[原子力産業新聞] 2002年3月28日 第2130号 <2面>

[原研] フォーラム開く

日本原子力研究所と科学技術振興事業団の共同事業で行われている「社会技術研究システム」は12日と13日の両日、東京都内で今年度の活動を締めくくる社会技術研究フォーラムを開催した(H写真)。

社会技術研究システムは、自然科学と人文・社会科学の複数領域の知見を統合した社会における新たな体系構築を目的とした社会技術研究事業推進のためのネットワーク型研究組織。昨年7月に具体的研究を開始した。今回のフォーラムでは、同組織のもと様々なプログラムを研究しているメンバーらが集まり、研究構想と成果を報告した。

12日のフォーラムでは、技術と社会の関わりの視点から原子力安全に関連する研究活動として、古田一雄東京大学大学院教授と田辺文也日本原子力研究所研究主幹がそれぞれ発表した。

古田氏は、「原子力安全システムの総合的設計」と題して、(1)技術および社会的側面の両者を視野に入れた原子力安全の枠組みの提示(2)組織的社会的リスクマネジメントの有効性評価支援技術の開発(3)原子力安全に関するリスクコミュニケーションのあり方などの提言--を目的とする研究内容を紹介した。その中で、原子力安全に関して従来の概念にとらわれず、人間のリスクマネジメント活動の領域に則したとらえ方が重要だと提唱。原子力防災の現状については、緊急事態の人間行動や組織活動のシミュレーション実行システムを開発しようとしていることを明らかにした。また、高レベル廃棄物処分の社会的受容性の高い処分計画のシステム設計についても取り組んでいきたいとの考えを述べた。

一方、田辺氏は原子力安全確保におけるコミュニケーションシステムに関する研究活動を説明。原子力発電所のような大規模で複雑な社会技術システムにおいて、通常時や異常時に関わらず「運転員や周辺地域住民らが状況を正確に把握し適切な意思決定を支援するコミュニケーションシステム」の研究開発を進める活動を計画していることなどを紹介した。


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