[原子力産業新聞] 2002年4月4日 第2131号 <2面>

[文部科学省] 国立大蔵病院での被ばく事故で対策

文部科学省は1日の原子力安全委員会に、国立大蔵病院(東京・世田谷区)で昨年12月21日に発生した放射線発生装置による被ばく事故に対する再発防止策を報告した。この事故は、同病院敷地内にある新棟リニアックCT室で医療用の放射線発生装置(リニアック)の納入業者がリニアックCT室の天井裏に作業員が入っていることに気づかず放射線の照射テストを行ったため、作業員が被ばくしたもの。被ばく線量は全身で200ミリシーベルト以下と推定されており、特に症状がでるなどの問題はなかったという。

文部科学省は、今回の事故に関して国立大蔵病院に対し、管理区域への入域者の管理と放射線業務従事者等に対する教育訓練について改善を指導することにした。

また再発防止策として、放射線発生装置を使用するすべての事業者に対して、その放射線施設における施設検査前にメーカーが行う放射線発生装置の据え付け調整等の運転にあたっても放射線障害予防規定の作成、放射線取扱主任者の選任を行うとともに、法令に基づく安全管理の徹底をはかるよう指導することとした。外部の作業者についても放射線障害予防規定の周知・徹底を行うなど適切に管理するよう通知する。


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