[原子力産業新聞] 2002年4月4日 第2131号 <3面>

[米NEI] 米世論調査で7割が原発指示

米原子力エネルギー協会(NEI)は3月27日、原子力発電所の安全保障に関する設問も初めて含めたという最新の意識調査で、66%が原子力発電の継続を支持しているなどの結果が出たことを明らかにした。

この調査はNEIの委託を受けたビスコンティ研究所が2月1日から3日にかけて1,000人の成人を対象に電話によるインタビュー形式で行ったもの。まず、原子力発電に対する一般的な見解は、昨年10月に行った調査と本質的に変わっていないと同研究所では言明。「強力に支持」と答えた27%を含め、合計66%が支持すると答える一方、「絶対反対」の22%を含む反対派全体の割合は27%に留まった。75%が「原子力は将来のエネルギー需要を賄う上で重要な役割を果たす」と認識していたほか、87%は「米国原子力規制委員会(NRC)は連邦政府の安全基準を満たした原子炉の運転認可を更新すべきだ」と答えている。

また、新規原子炉に関して新たに加えた設問についても原子力支持派が過半数を占めた。先ず、73%が「もし今後10年の間に必要性が生じた場合、新しい原子炉を建設できるよう電力会社は今から準備しておくべきだ」と回答。64%の回答者は「すでに稼働している最寄りの原子力サイト近郊に新規の原子炉を建設してもよい」との認識だ。また、58%は「将来の可能性に備えて、すでに稼働している最寄りの原子力サイトでは前もって新規原子炉用の敷地を確保しておいてもよい」と答えている。

原子力発電所の安全性に関しては、「安全」と信じている人の割合は昨年9月11日の同時多発テロ事件以前のレベルに戻って60%に。昨年10月時よりは低い数値だったものの、80年代や90年代より高めの結果となっている。7段階評価で「安全」の認識範疇に入る5点〜7点を付けた人の割合が60%だったのに対して、「安全ではない」の1点〜3点を付けた人は13%に留まっている。なお、原子力発電所が立地する州に居住している回答者の間では「安全」という評価の割合は65%にアップしていたほか、利用している電力会社が原子力発電所を保有している人の場合は68%に。原子力発電所を実際に見学したことのある人の間では、この数字は76%に達している。

さらに、原子力発電所の保安体制について、ビスコンティ研究所では今回初めて設問に加えた。事件後、一部の議員達が連邦政府による警備への変更を提案したという事実と、「現在の民間の保安員は軍や警察に籍を置いた経験のあるレベルの高い熟練者ばかり」とするNRCのコメントを元に見解を聞いたところ、56%が「民間のままでよい」とし、「連邦政府に移行すべきだ」との意見は37%という結果になっている。


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