[原子力産業新聞] 2002年4月11日 第2132号 <3面>

[米NRC] ウエスチングハウス社、AP1000の認証申請

米国原子力規制委員会(NRC)は2日、ウエスチングハウス(WH)社がAPl000型炉の標準設計について設計認証申請書を提出したことを明らかにした。

次世代型PWR設計の一つであるAP1000は出力110万キロワットで、設計上の運転寿命は60年。重力や圧力差によって原子炉を安全に停止したり事故時の影響を緩和できるなどの固有の安全システムを備えている。NRCの認証が得られれば、新規原子炉の建設と操業を希望する電力会社は、同炉の設計をすでに政府から承認済みの標準設計として選択・申請することが可能。このため、認証を受けた範囲内の安全性問題に関しては、後になって個々の認可申請が訴えられることはなくなる。ただし、ある特定のサイトに原子炉を建設・操業する際の、固有の環境影響問題については保障の範囲外だ。

NRCではすでに、3つの原子炉設計について認証済み。AP1000の元になった出力60万キロワットのAP600は99年にNRCから設計認証を受けているが、APlO00で認証申請するためにWH社では大型炉用の要求項目に合わせて所定の変更を実施したとしている。

今後の作業としてNRCはまず、手続きを進めていくのに必要な情報すべてが申請書類に含まれているか否かを審査。要件を満たしていれば申請の受理を登録簿に記載するとともにその旨を官報で公表する。さらに追加で必要な情報なども審査した上でNRCは安全評価報告書案を作成。技術的な問題や安全性に関する項目がすべて解決されていれば同報告書の最終版をまとめ、一般市民が参加する機会も交えた認証手続きにかけると説明している。


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