[原子力産業新聞] 2002年4月11日 第2132号 <3面>

[ロシア] 原発建設の可能性示唆

ロシア原子力学会が3月26日に伝えたところによると、もしも朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から正式な要請があればロシアは北朝鮮に原子力発電所を建設する可能性について真剣に検討する用意があるという。

この情報はロシアのL.クレバノフ産業・科学技術大臣が明らかにしたということで、最近北朝鮮の最高人民議会(国会)委員長とモスクワで会談した際、先方から示唆された話だとしている。

クレバノフ科学技術相は、こうしたプロジェクトは現段階では単なる可能性としか言えないと念押ししつつも「すべての可能性を慎重かつ注意深く追求していくべきだ」との見解を表明。北朝鮮側からの正式な要請が先ず第一に必要なためロシア側から正式な回答はしていないが、ひと度要請があれば、ロシアとしては国際原子力機関(IAEA)の要求項目など国際的な体制との整合性も含め、あらゆる観点から詳細な調査と徹底した審議を実施する考えで、国際的な要求基準や条件のクリアについては最優先していく考えであると強調している。

なお、ロシア原子力産業界が伝えた話では、このようなプロジェクトの実現には非常に多くの障害を伴うが、核不拡散や原子力安全など国際社会の懸念を払拭できるよう北朝鮮との国境に近いロシア領土内に原子炉を設置するなど、問題解決のための代替案も考え得ると指摘している。


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