[原子力産業新聞] 2002年4月18日 第2133号 <3面>

[フランス] 仏電力公社の2001年度決算、経常利益は10%増

再処理契約が有利に

フランス電力公社 (EDF) は12月末、2001会計年度の決算を公表し、昨年は新規の再処理契約を有利に締結できたことなどが功を奏し、歳入および経常利益ともに急激に増加したとしている。

記者会見した同公社のJ.ショーバン財務部長によると、国外の子会社による実績が歳入の35%を占めるまでに成長したほか、親会社も熾烈な欧州電力市場の中で効果的に競争力を維持するなど、グルーブ全体の歳入は前年度実績から18%以上増の407億2,000万ユー口 (4兆7,642億円) になった。また、昨年10月以降2007年までの長期再処理契約をフランス核燃料公社と新規に結んだ際、今後の核燃料サイクル・バックエンド費用で約11億ユーロ (1,287億円) を回収できるよう再交渉したことから、経常利益は10%増加して26億9,000万ユーロ (3,147億円) になったとしている。

税引き前収益は27%急増して15億5,000万ユーロ (1,813億5,000万円) に達する一方、グループとしての純益は約26%落ち込んで8億4,100万ユーロ (984億円) に留まった。EDFではその主な理由として、電熱併給発電所からの電力購入義務のため新たに9億ユーロが必要となったこと、アルゼンチンやブラジルなどとの通貨交換レートによる損失が7億8,000万ユーロを超えたこと、全体的な財務経費が2000年度の2,800万ユーロから8億7,700万ユーロ (675億円) に跳ね上がったことなどを挙げている。

昨年度はまた、国内原子力発電所による発電量が4,000億kW 時を超えたのが幸いし、仏国内での電力販売および電力輸出ともに良好な実績を残したと EDFでは強調。国内販売実績は前年度の4,007億kW 時から4,073億kW 時に拡大したほか、輸出量も773億kW 時から893億kW 時に増えたことを明らかにした。

今後の展望についてF.ルースリー総裁は、「2001年から2003年にかけて、主に欧州域内における企業買収など外部投資にさらに190億ユーロ (2兆2,230億円) を投入する」との考えを表明。近年、EDFのほかにベルギーのエレクトラベル社、スペインの ANDESA、ドイツのRWE社とE・ON社、イタリアのENEL社、スウェーデンのヴァッテンフォール社など欧州の大手7電力だけで合計580億ユーロ (6兆7,860億円) が企業買収に費やされたという事実に言及した。


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