[原子力産業新聞] 2002年4月25日 第2134号 <6面>

[中部電力] 浜岡1号機の破断原因は水素の急激な燃焼

中部電力は24日、浜岡原子力発電所1号機の余熱除去系配管破断についての原因と対策をとりまとめて原子力安全・保安院に報告した。

中部電力の調べによると、配管破断は配管内に水素が蓄積し、それが急速に燃焼したことで発生したものと判明した。原子炉内で炉水の放射線分解により発生した水素と酸素が、主蒸気と混合して破断した配管にもたらされ、運転の経過とともに、配管の放熱によって蒸気が徐々に凝縮する一方、非凝縮性ガスである水素が配管の頂部に蓄積していたと推定されている。その状態で、高圧注入系の手動起動試験に伴う圧力変動により、蓄積していた水素と酸素に高温の蒸気が流入し、着火し、急速な燃焼で圧力が急激に上昇したことで破断にいたったというもの。中部電力では水素蓄積を防ぐために余熱除去系にある蒸気凝縮系配管を撤去するなどの対策を進めるとしている。

一方、同1号機の制御棒駆動機構ハウジング部からの漏えいについては、原因を応力腐食割れの3つの因子 (材料、環境および応力) が重なって発生した粒界応力腐食割れと推定。ハウジングおよびスタブチューブの材料を耐食性に優れたものに交換することとした。


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