[原子力産業新聞] 2002年5月9日 第2135号 <1面>

[東京電力] 柏崎刈羽2、5号機で開始

昨年12月に、経済産業省から原子力発電所における「定格熱出力一定運転」の導入手続きが明示された通達が制定された事を受け、柏崎刈羽原子力発電所2・5号機における、定格熱出力一定運転に伴う発電設備の健全性評価書を3月に提出していた東京電力は7日、経済産業省原子力安全・保安院より内容の妥当性の確認が終了した旨の通知を受けたことから同日、同ユニットにおける定格熱出力一定運転を開始した。

なお東電では、各原子力発電所の残りのプラントにおいても準備が整い次第、定格熱出力一定運転を実施していく予定だ。

一方、(1)安全を維持しながらエネルギーの有効利用が図れること(2)C02排出量の削減が出来ること−などから、同運転の実施に向けて準備を進めていた日本原子力発電は4月25日、定格熱出力一定運転にともなう「発電設備健全性評価書」を、経済産業省に提出した。

今回評価の対象となったのは、同社の敦賀発電所2号機(PWR116万キロワット)。評価書では、(1)タービンミサイル評価(2)蒸気タービン設備の健全性評価−(3)電気設備の健全性評価について評価を実施。結果、(1)については、定格熱出力一定運転を実施した状態を上回る条件で非常調速装置が作動した時の蒸気タービン回転速度上昇を評価した結果、「これまでのタービンミサイル評価に用いるタービン回転速度は変更する必要がなく、タービンミサイルによる原子炉施設への影響を考慮する必要はないとするこれまでの評価結果を変更する必要はない事を確認した」とするとともに、(2)については、定格熱出力一定運転を実施する場合の最大出力状態を上回る条件で、蒸気タービンを構成する機器の強度および調速装置の性能について評価をした結果、「安全上問題がない」事を確認。さらに(3)については、「発電機および変圧器については、運転制限の範囲内で適時監視を行って運転を行えば、設備の健全性に問題がないことを確認した」としている。


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