[原子力産業新聞] 2002年5月23日 第2137号 <3面>

[英国] エネ政策検討第2段階へ

英国政府は14日、将来のエネルギー政策検討作業における新たな段階として、原子力発電やエネルギーの供給保証、低C02経済に関する意見募集を開始した。

一般からの見解募集は、低C02経済とエネルギー効率の向上に重点を置いた政府のエネ政策策定に対する提案形成の一助になると捉えられており、B.ウィルソン・エネルギー相によると2度目の意見募集期間となる今回は夏の終り頃に締切りを設定。これまでの検討作業に対する反応も斟酌して年末の白書策定に結び付けたいとしている。実際の作業も白書の担当チームが受け持つことになっており、政府貿易産業省(DTI)石炭政策局長で、エネルギー戦略ユニットの責任者にも指名されたR.ライト氏がリーダーを務めている。

今回の意見聴取についてはM.ベケット環境・食糧・地域問題相も、「ガスや電気、太陽熱、風力、石炭、原子力のいずれになるにせよ、どうすれば我々の将来のエネルギー政策の枠組みが(1)経済(2)環境保全(3)社会改善--という持続可能な発展における3目標すべてを最も効果的に達成できるかという点について意見を聞きたい」と言明。「低CO2経済への移行」という部分に関しても、「気候変動を防止するための目標値は達成しなくてはならず、エネルギー政策は市民の日常の家庭生活や旅行の仕方、ビジネスの方法などの中で重要な役割を果たしている」と強調した。

また、3月には政府の主任科学顧問であるD.キング教授が「少なくとも既存炉を原子炉で取り替えるための新規炉建設を実行しない限り、化石燃料への依存は変わらない」と指摘。C02削減を狙った新しいエネルギー政策の柱として原子力発電所建設プログラムの再開を呼びかけている。


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