[原子力産業新聞] 2002年6月6日 第2139号 <3面>

[ロシア原子力学会] 建設計画に参加希望

ロシア原子力学会が5月21日付けで伝えたところによると、ベラルーシのA.ルカシェンコ大統領はこのほど、将来同国初の原子力発電所を建設することになった場合に備え、ロシアの新規原子力発電所建設計画に参加したいとの意向を表明した。

同大統領は共同建設の具体的なサイトとしてロシアのスモレンスク原子力発電所の名前を上げているが、現時点では政府内の経済および電力産業問題の担当閣僚達で詳細を検討している段階だという。ベラルーシ電力・原子力研究所のA.ミハイルピッチ事務局長も、ロシアの新規炉からベラルーシが受け取れる電力量については建設計画に対してどの程度財政的な貢献ができるかにかかっていると言明。同国政府は現在、新規建設計画のあるロシアのサイトのうち、スモレンスクに加えてクルスク、カリーニンの発電所サイトについても参加の実行可能性調査を実施中であることを明らかにした。

ベラルーシはこれまでに何度か同国内に原子力発電所を建設する可能性を模索してきており、まず91年のソ連邦からの独立時に最初の計画が浮上。しかし、財政的、政治的な理由から最終判断は下されなかった。同国政府高官によると、86年に隣国のウクライナで起きたチェルノブイリ事故も大きく影響し、ベラルーシ国民のかなりの数が原子力開発利用計画に反対しているとも伝えられている。


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