[原子力産業新聞] 2002年6月27日 第2142号 <2面>

[中部電力] 浜岡2水漏れで対策

中部電力は20日、同社の浜岡原子力発電所2号機(BWR、84万キロワット)で5月15日に発生した、余熱除去系低圧注入管第1隔離弁(B)のドレン配管からの水漏れにともなう手動停止の原因と対策に係わる報告書を、経済産業省原子力安全保安院に提出した。

報告書では調査の結果、配管点検、当該配管溶接部点検、配管異動量調査および、記録調査等からは異常はなかったものの、材料調査から当該水漏れ箇所の破面に、疲労割れの特徴的な組織である「ビーチマーク」や「エトライエーション状模様」が監察されたとともに、振動による応力評価の結果から、余熱除去系両系注入運転時に当該配管溶接止端部に発生する応力は疲労限とほぼ一致し、「高サイクル疲労による割れが発生する可能性があることが確認された」としている。

また、高サイクル疲労による割れの原因としては、調査結果から、当該水漏れ箇所は応力が集中しやすい形状であり、@余熱除去系両系注入運転時において、当該弁近傍の低圧注入配管の振動に当該配管が共振Aこれにより当該部に繰り返し応力が加わり、高サイクル疲労によるひび割れが発生・進展し、貫通・半周割れに至った−と分析している。

なお対策として、当該配管および当該弁テストラインについて、応力が集中しないよう、配管ルート、サポート等の見直しにより、発生応力の提言を図ることおよび、当該弁ノズルを機械加工した上、当該配管と当該弁ノズルの溶接を付き合わせ溶接することにより、疲労強度の高い形状とすることを挙げている。

保安院では専門家の意見聴取した結果も踏まえ、今回の報告書に挙げられた原因および対策を「妥当なもの」と判断するとともに、中部電力に対し@類似箇所の選定および対策A運転履歴−について、更なる報告をするよう指導している。


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