[原子力産業新聞] 2002年6月27日 第2142号 <2面>

[原子力安全・保安部会] 再処理施設、試験段階の安全規制まとめ

原子力安全保安部会の核燃料サイクル安全小委員会(委員長・松本史朗埼玉大学教授)は21日、日本原燃が青森県六ヶ所村に建設中の再処理施設の試験運転段階における安全規制について報告をとりまとめ、25日の原子力安全保安部会に報告した。

現在86%の建設進捗率となっている六ヶ所村の再処理施設は今秋にも硝酸、有機溶媒等を使った化学試験を開始し、来年秋には天然ウラン、劣化ウランを用いたウラン試験を、さらに使用済み燃料を使った総合試験(アクティブ試験)を2004年7月頃に始める計画で、2005年の7月に予定する操業開始をめざし、段階的に設備の安全機能や所期の処理能力を確認していくことになる。

今回の報告は、この段階ごとに安全規制を実際にどう行うか、安全確保の基本方針や使用前検査の進め方等についてとりまとめたもの。

報告は、今後予定される試験の各段階において、国は試験運転計画をプロセスに着目し安全を確認するため試験運転に係る事業者の組織管理体制などが適切かどうか確認する必要があるとし、確認の基本方針として、主要な試験項目とその選定の考え方、組織責任、終了・次段階移行の判断条件、安全対策などポイントを具体的に示している。

また国が使用前検査を実施するにあたって、試験運転の安全確保のため、モノに着目して安全上重要な施設の機能を確認すべきとし、各試験に必要な安全機能の確認項目のポイントを具体例として示している。


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