[原子力産業新聞] 2002年7月25日 第2146号 <1面>

[経産省・文科省] 来年度予算方針示す

経済産業省と文部科学省は、来年度の原子力関係予算の概算要求にむけた考え方を23日の原子力委員会に報告した。

経済産業省では、大きく分けて原子力安全と原子力政策の二本柱で引き続き重要施策の重点化をはかる方針。原子力安全の関係では、軽水炉の高経年化対策、燃料サイクル事業の進捗にあわせた施策拡充、原子力防災の面でも東通原子力発電所の運開にむけたオフサイトセンターの建設等に予算を要求する方針だ。

原子力政策の関係では、特に国民理解促進にあたり、プルサーマルヘの理解促進に重点を置き、地域の担当官事務所を活用するなど、地域密着の理解促進により踏み込んだ活動を展開する考え。

原子力技術の開発については、実用発電炉開係で、例えば既存炉の改良等の技術開発等、民間中心に取り組む事項を整理して、一部は来年度で廃止の方向とする。廃止措置については東海発電所の廃止措置に間に合うよう来年度までに成果のとりまとめを行う方針だ。廃棄物処分の関係では、高レベル廃棄物の地層処分技術関連として、最終処分のための概要調査地区公募を踏まえた概要調査技術開発への重点化をはかるとしている。核燃料サイクル関係については、MOX燃料加工に関して国内加工施設の2009年操業をめざして、来年度から主要工程であるMOX粉末混合工程に関する実規模試験をスタートさせる考えだ。

一方、文部科学省では、もんじゅのナトリウム漏えい対策等に係る改造工事が来年度にも想定されることから、国の安全審査、地元了解を経て工事着手をはかれるよう予算措置をはかる方針。また国内誘致を表明したITER計画についても、選定等の協議をみながら所要の予算措置をはかる方向だが、日本への誘致が決定しても実際の建設はその次の年度以降としている。

また六ヶ所再処理施設に対する保障措置体制整備も課題となっており、来年度には再処理施設でウランを使った試験も予定されていることから保障措置検査および六ヶ所保障措置分析所 (オンサイトラボ) の運用を開始する方針。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.