[原子力産業新聞] 2002年8月8日 第2148号 <3面>

[オーストラリア] 低レベル処分サイト決定へ

オーストラリア連邦政府は7月25日、国内に建設する低レベル放射性廃棄物最終処分場サイトを今年終盤もしくは来年初頭までに最終決定するとの考えを明らかにした。

同国政府は最近、サウスオーストラリア州ウーメラ近郊に位置する処分場候補地および2か所の代替地について環境影響声明書(EIS)の案文を公表。廃棄物処分に関する意志決定においては国民の意見を聞くことが重要との認識から、連邦政府のP.マクガウラン科学相は9月末までの日程で同案文が縦覧できるよう手配するとしている。

オーストラリアには商業規模の発電用原子炉は存在しないものの、医学、工業、研究などの分野で放射性同位元素を利用しているため、放射性廃棄物が病院や研究所のほか、政府や産業界の通常の保管施設など国内100か所以上で保管されている。また、ルーカスハイツにある豪州原子力科学技術機構(ANSTO)の基盤技術研究活動においても放射性廃棄物が発生する。豪州政府の計画としては1.5キロメートル四方の国立処分場敷地内中央、縦横100メートルの面積に地下20メートルの立坑を掘削してこれらの廃棄物を処分。施設の監視を続けながら安全に保管していきたいとしている。


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