[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <6面>

[島津製作所] 世界最高の分解能

島津製作所は、焦点サイズ0.4μmという産業用X線透視装置では世界最高レベルの分解能と、2000時間以上の連続X線出力を実現したマイクロフォーカスX線透視装置「SMX‐160LT」(=写真)を7月26日、販売開始した。ますます高密度化が進む半導体、電子部品などの生産ラインにおいて、より高精度で長時間連続運転で検査できる装置へのニーズに対応したもの。主に高密度実装半導体、電子部品向けに年間30台の販売を見込んでいる。価格は5000万円。

同装置は、タングステン電子源に代わって焦点が絞りやすく寿命が長いLaB6(六ホウ化物)結晶をフィラメントに用いた自社開発のX線管球を採用し、最小焦点サイズ0.4μmを実現した。加えて、メガピクセルCCDカメラを搭載、最大4000倍の高拡大透視を行った場合でも0.4μmの微細な部位がクリアな映像として観察できるほか、LaB6結晶フィラメントには、X線を連続出力した場合にも長い寿命を持つ特長があるため、同装置のフィラメント寿命は2000時間以上と長く、生産ラインにおいて長時間にわたって連続運転が行うことができるのが特長。

X線透視装置は、非常に細く絞られたX線を被検査物に透過させてイメージ管と呼ばれる装置に透視画像を投影し、CRTなどに表示する装置。非破壊検査機器の代表的な装置として、電子部品、自動車など幅広い分野で用いられている。電子部品の分野では高密度化などに伴い、製造ラインでのX線透視装置の需要が拡大しており、最近では、電子部品を搭載した実装基板などの実物を生産ラインで高精度に検査できる装置のニーズが高まっている。


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