[原子力産業新聞] 2002年9月5日 第2151号 <1面>

[経済産業省] 7.7%増額で

経済産業省は来年度の原子力関係概算要求として1807億円(前年度・1677億円)を計上した。前年度に比べて7.7%増。

うち一般会計は7.2億円(同・7.2億円)、電源特会立地勘定1571億円(同・1426億円)、電源特会多様化勘定が228億円(同・244億円)となっている。

政策別にみると、原子力安全関係に312億円(同・283億円)をあて、再処理やMOX加工等の進捗する核燃料サイクル事業に合わせた安全性評価手法の確立に取り組むほか東通原子力発電所の運開にむけたオフサイトセンター建設などを進める方針としている。

原子力政策関係ではサイクル関係に19億円(同・17億円)をあてる。

ウラン濃縮については2010年頃の世界最高水準の遠心分離機実用化にむけ来年度中の基本仕様決定をめざす方針だ。

MOX燃料加工については2009年の操業を目指して来年度からMOX粉末混合工程に関する実規模試験開始を念頭にMOX燃料加工事業推進費補助金を4億4600万円(同・3億4500万円)に増額要求する。

放射性廃棄物処分に関しては56億円(同・59億円)を計上し高レベル廃棄物の地層処分の信頼性向上にむけた技術開発や最終処分地選定のための概要調査を踏まえた地質等調査技術開発への重点化をはかる考えだ。

原子力技術開発の推進には63億円(同・70億円)を計上。廃止措置関連の技術開発は東海炉の廃止措置計画に間に合うよう来年度に成果のとりまとめを行う方針だ。

立地関係には原子力以外の施策も若干含めて1282億円(同・1159億円)をあてて、立地促進にむけ電源三法交付金の使途弾力化や対象事業の拡大を進める。

そのうち、立地地域の公共用施設整備むけの電源立地促進対策交付金(原子力分)は325億5700万円(同・291億5800万円)に増額要求を行っている。

国民理解の促進も引き続き重要課題として取り組むため94億円(同・92億円)を計上して国民1人1人にエネルギー・原子力について主体的に考えてもらう環境の整備等を推進する考え。

そのため電源立地推進調整等委託費における広報関連予算を50億6300万円(同・48億9600万円)に増額して要求するなど施策充実を図る。

(次号に原子力関係予算表を掲載の予定)。


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