[原子力産業新聞] 2002年9月5日 第2151号 <1面>

[東京電力] 自主点検記録に不正

東京電力が8月29日明らかにした福島第一・第二、柏崎刈羽の3原子力発電所での点検記録不正問題で2日、同社の南直哉社長は会見し、南社長はじめ荒木浩会長ら首脳の辞任を発表。また柏崎刈羽、福島第二へのプルサーマル導入計画も見送りを決めた。社会的信頼を大きく損ねる事態に、まずは徹底した全容解明が必須。今月中旬にも東電は社内調査をまとめ公表する予定。

不正の疑いがあるのは福島第一・第二、柏崎刈羽の三原子力発電所で1980年代後半から90年代にかけて実施した自主点検作業における点検・補修作業記録等。自主点検は、東電がゼネラルエレクトリック・インターナショナル社(GEII)に発注・実施したもので、今年5月に東電が社内調査委員会を設置し、調査してきた。東電は29件の事実関係について、9月中旬を目途に全容を解明して調査結果を公表する方針。2日から立入検査に入った保安院も事実関係を究明のうえ9月中目処に中間報告をまとめる方針。同時に保安院では再発防止の必要な対策の検討を早急に開始した。また東電は2日、シュラウドにひびまたはその兆候の疑いがあるプラントを対象に、停止・検査を行うと発表した。福島第一・4号機(9月中旬〜)福島第二・2号機(10月下旬〜)、3号機(9月上旬〜)、4号機(9月下旬〜)柏崎刈羽1号機(9月3日〜)が緊急点検の対象。

不正問題が公表された8月30日に原子力安全委員会は保安院から今回の事態の報告を聞いた。各委員からは、「規制を強化するよりも、何かあった際に自己責任をしっかり取らせるべき」との意見が出されたほか、松浦委員長からは「『どうしてそうなったか』を徹底的に調査して欲しい」との要望が出された。

5日の原子力委員会でも各委員から「関係事業者に総点検を徹底すべき」、「全容の徹底解明が再出発の前提」などの要望が示された。また出席した南東電社長が「信頼をベースに取り組んできたにもかかわらず、今回信頼を大きく損ねることになりお詫び申し上げる」として陳謝した。また今回の不正に関し、直接関与した社員への処分について「思い違いを改めるための教育を含めて色々な形が考えられる」とし、全容解明のうえ判断する考えを示した。


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