[原子力産業新聞] 2002年9月5日 第2151号 <3面>

[英BE社] 原子力発電量を下方修正

英国の原子力持ち株会社であるブリティッシュ・エナジー(BE)社は8月13日、トーネスおよびダンジネスB原子力発電所における機器の点検作業のため、原子力で2002/03年に発電する予定だった675億キロワット時を630億〜631億キロワット時に下方修正するとの見通しを公表した。

BE社は英国内で15基、1013万3000キロワットの原子炉を所有しているが、このうち現在稼働しているのは12基のみ。スコットランドのトーネス原子力発電所では2号機(68万2000キロワット、AGR)がガス循環器の振動により5月半ばから運転を停止しており、現在取り替え作業を実施している。8月12日には同1号機(68万2000キロワット、AGR)も同じ問題の調査のため運転を停止し、検査作業を開始した。

BE社では「2号機の問題が1号機と同じか否かはまだ断定できない」としているものの、用心のため両炉のガス循環器すべてを点検し、欠陥品については直ちに交換作業を行うと言明した。また、イングランド北西部に立地するヘイシャム原子力発電所(60万キロワット級AGR4基)にもトーネスと同型のガス循環器が設置されているため、これまでのところ安全上問題になるような振動は検知されていないが、念のためにさらなる調査を行う方針。両発電所における追加の循環器作業には最高で2500万ポンド(47億5000万円)の経費がかかると同社では見積っている。

このほか、イングランド南西部にあるダンジネスB原子力発電所(各57万5000キロワット、AGR2基)でも今月初頭に計画外点検のために1基が停止。同発電所では2年ごとに定められている保守点検プログラムが予定を早めて開始されており、通常の検査活動と並行して機器の補修作業も実施する予定だ。


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