[原子力産業新聞] 2002年9月12日 第2152号 <1面>

[原子力委員会] 革新炉で報告書

原子力委員会研究開発専門部会の革新炉検討会(座長・岡芳明東大教授)は、「革新的原子力システムの研究開発の今後の進め方について」と題する報告書をとりまとめ、10日、原子力委員会に報告、パブリック・コメントに付した。同報告書は革新的原子力システムの研究開発に取り組む第一段階として、我が国における研究開発の現状を把握、革新炉の必要性と開発戦略をまとめたもの。

報告書は革新型炉について、新規増設と立地の停滞や低いウラン資源利用度など、現在の軽水炉システムの持つ限界を超えることにより、エネルギーセキュリティの確保、原子力産業の活性化による技術基盤の維持、新産業の創出による経済社会への貢献、社会的受容性の向上などを目指すとしている。

革新型炉への具体的な社会的ニーズとしては、(1)核燃料資源の有効利用、(2)電力需要及び設備投資における柔軟性、(3)経済性の大幅な向上、(4)原子力エネルギーの多様な利用、(5)優れた安全性、(6)環境負荷の低減、(7)核不拡散抵抗性の向上‐‐などをあげ、CO2排出削減にも大きな役割を担うとしている。

報告書はまた、国内で提案されている17の革新型炉の概念について、社会的ニーズと技術課題のほか、実用化時期の見通しについても簡単に記述している。この報告書に関して原子力委員会は広く国民から意見を募集している。意見募集期間は9月10〜24日、報告書等は原子力委員会のホームページからダウンロードできる。


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