[原子力産業新聞] 2002年9月26日 第2154号 <1面>

[東京、東北、中部電力] 新たに再循環系で配管にひび割れの兆候

東京、東北、中部の電力3社は20日、各社の保有する原子力発電所の再循環系配管に、過去の点検で、ひび割れの兆候が発見されていたことを明らかにした。

東電では、福島第二・3、柏崎刈羽1、2号機について、再循環系配管に応力腐食割れによると見られるひび割れの兆候が複数あると、同日原子力安全・保安院に報告。また過去、福島第一・1、2、3、4、5号機でも同様の部位にひび割れの兆候があったものの、すでに当該配管を交換済であるとしている。同社によれば、このひび割れは最も早いもので、1998年頃の定期検査の際に、同社が実施した超音波探傷試験(UT)により発見したという。

また、東北電は女川1号機の第12回定期検査時(1998年)に、原子炉再循環配管の溶接継手部に超音波探傷試験による自主点検を実施した際、2箇所の溶接継手部に傷の徴候を確認したものの、傷の進展を考慮した場合でも、今後40年以上運転を行っても、配管必要厚さを十分確保していることから、運転上支障はないと判断し、「国への報告は行っていなかった」としている。中部電力も同日、浜岡1、3号機の再循環系配管の溶接部近傍に、過去の定期点検でインディケーション(ひびの兆候)が認められていたことを明らかにした。問題の溶接部は、1号機で1箇所、3号機で8箇所(そのうち5箇所は修理済み)。同社では、事実関係については先ごろ設置した「自主点検に係わる評価・検討委員会」において詳細に調査することとし、当該部の詳細評価を実施するために、運転中の浜岡3号機の停止を決定。同日発電を停止した。


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