[原子力産業新聞] 2002年9月26日 第2154号 <3面>

[スウェーデン] 原子力の継続利用、若者の半数が賛成

スウェーデンの原子力訓練・安全センターが4日付けで伝えたところによると、原子力発電に対する最新の意識調査で同国の若者の半数が原子力の継続利用に賛成していることが明らかになった。

この調査は同国の世論調査機関であるSIFO研究・コンサルティング社が先月、18才〜35才までのスウェーデン国民1003名を対象に実施したもの。過去4年間で原子力に対する認識が変わったか否かや国内での原子力利用の継続などについて、調査したとしている。

まず、原子力の継続利用を「支持する」と答えた人の割合は51%で、このうち66%が男性で残りが女性だった。一方、不支持を表明した人の割合は34%で、男女比は逆転。残りの14%は「特に意見なし」と答えている。年齢層別に見ると、18才から29才までの場合、50%が原子力を支持。35%が反対、15%は「わからない」という結果だった。これが30才から35才までの国民層では、賛成者の割合は若干上昇して54%に。反対は33%に留まっている。ただし、男性は概して原子力支持に傾いており、20代までのグループでは65%、それ以降では68%と過半数を超えている。これに対して原子力に賛成という女性の割合はそれぞれ34%と38%と少数派だ。

就業形態で分けてみると、原子力賛成派は自営業の人の中で最も多く65%。民間会社に勤めている人でも61%だが、公務員では41%に激減することが判明している。また、政治的な思想で見た場合、右寄りな政党に投票した国民の過半数の六四%が原子力支持派だった。一方、左翼政党、もしくは伝統的に反原子力の政党に投票した人でも48%は原子力に賛成であることが分かった。

「過去4年間で原子力に対する認識が変化したか?」という設問では、大多数の70%が「変化なし」と回答。変化があったと答えた人の内訳では、5%が「非常に肯定的になった」としているほか、11%が「少し肯定的に変化」、10%は「少し否定的に変化」、4%が「非常に否定的に変化」となっている。

緑の党支持者の中でも、15%は原子力に対する認識が「少し肯定的に変化した」としているが、9%は一層否定的になったことが判明した。社会民主党か左翼党に投票しつつも原子力支持の考えを持つ人の中では、12%が「少し肯定的に変化」する一方、「少し否定的に変化」した人の割合も13%とほぼ同じ結果だった。

地域別に見ると、人口が最も密集する南部地域に原子力支持者の数が最も多く、53%が賛成。反対者の割合は33%に留まったほか、14%は「わからない」と答えている。


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