[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <1面>

[東京電力]東電不正問題、再発防止策まとめる

原子力安全・保安部会の原子力安全規制法制検討小委員会(委員長=近藤駿介東大院教授)は1日、中間報告案をとりまとめ、東京電力の原子力発電所自主点検記録等不正問題に対する再発防止策をまとめた。経済相直属機関として設けられた保安院の調査過程に関する評価委員会(委員長=佐藤一男前原子力安全委員長)も先月27日に中間報告案をとりまとめ、申告制度の改善など規制当局の調査のあり方等に対する改善策をまとめた。1日公表された保安院調査の中間報告を踏まえ、平沼赳夫経済相は同日、東電の南直哉社長を呼び厳重注意、再発防止策の報告を求めるとともに特別保安検査実施などの行政指導をとることとした。

1日開かれた原子力安全規制法制検討小委は、原子力発電設備の運転開始後の技術基準となる維持基準の導入、自主点検の法定化などを提言した中間報告書案を了承、パブリックコメントに付すこととした。出席した平沼経済相は必要な法改正について、今月中旬からの臨時国会に関連規制法の改正案を提出したいとの意向を示した。

中間報告案は、自主点検を電事法上の「自主検査」として法定化、記録保存を義務化することを提言。

また事業者の品質保証システムが全社的に有効なものであるための要求事項を保安規定に明記することも示した。

さらに欠陥評価の手法を明確にし、運展開始後の維持基準も明確にし関連規制法に導入する方向を示した。

あわせて、現在原子力発電設備の検査制度見直しを進めている保安部会の検査の在り方に関する検討会の審議を急ぐことを求めている。


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