[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <1面>

[原産] 「原子力ムラ」猛省を

日本原子力産業会議の西澤潤一会長(=写真)は2日、原子力発電所での不正記録問題について記者会見を行い、談話を発表した。原子力発電が、エネルギーの安定供給に不可欠であることに甘えて「悪しき特権階級」になったとし、違反の根本を断つため原子力関係者の社会的責任の重視と維持基準策定を提言した。

原子力技術者がいわゆる「原子力ムラ」を作り、自分たちのだけの価値基準や行動原理で事を進めた結果、原子力安全性に対し「社会の共感を得なければならないという自覚」に欠けたと猛省を促した。経営者、規制当局、学識者にも原子力技術者がこのような誤謬に陥る過程を見過ごしてきた責任があるとした。

記者会見で西澤会長は、「原子力ムラ」の問題点を生んだ原因が原子力技術者の「おごり高ぶり」だとし、原子力関係者の倫理に対する反省から、教育改革を呼びかけた。


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