[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <3面>

[カナダ] カメコ社、ブルース発電所操業に出資継続

英国のブルース・パワー(BP)社に出資しているカナダのカメコ社は9月10日、BP社の親会社であるブリティッシュ・エナジー(BE)社が経営危機から英国政府に緊急資金援助を要請したのを受けて、「当社のBP社に対する出資意欲は揺らいでいない」との声明を発表した。

BP社はカナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション社とリース契約を結んで、ブルースB原子力発電所(=写真)の四基を運転しているほか、A発電所の2基についても来年春に運転再開を計画中。カメコ社はBP社に15%出資する少数株主で、声明文では「BP社に82.4%出資しているBE社が経営破綻したことによりBP社のリスクの度合いは確かに一時的に上昇したが、当社のBP社に対する1億ドルまでの投資および最高1億200万ドルまで財務保証する方針に変更はない」と言明した。同社のこれまでの投資総額は7000万ドルに上っている。

なお、BP社はカナダ原子力安全委員会(CNSC)の要求に従い、同社がブルース原子力発電所の運転認可を得るに足る財務条件を備えていることを証明する報告書を提出した。BP社としては出資会社との関係は主に財政面である点を強調。B発電所の4基を安全かつ高い信頼性をもって操業するとともにA発電所の2基を運転再開させる際の専門的知見には何の問題もないと訴えている。

BP社によれば、同社が必要としているのは資本支出計画への支援ではなく、電力取り引き契約活動や閉鎖状態に伴う財政負担に対する出資会社からの間接的な財政支援。これまでのところ、そうした財政支援は親会社からの保証という形で現れており、現在でもその効力は十分維持されていると強調した。

ただし、BE社の財政状況の変化により、その保証の質にも陰りが出てきたことも認めており、英国政府がBE社支援に乗り出した事実に言及するとともにカメコ社が堅実な信用格付けに基づく財政保証を提供し続けていると訴えている。

BP社は近年、ブルース発電所の操業に今後3年間で18億カナダドル(1404億円)を投資するとの考えを表明しており、このうち3億4000万加ドルはA発電所3、4号機の運転再開準備に、8億加ドルはB発電所の4基の改修工事に充てる計画だとしている。


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