[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <5面>

[戸田建設] フィンランドに技術者を派遣

戸田建設は9月20日、フィンランドで整備が進む放射性廃棄物処分施設の計画・設計・建設・保守技術を習得するため、フィンランドの総合エネルギー会社・フォルツム社の核廃棄物部門に10月にも技術者を派遣すると発表した。

高レベル放射性廃棄物の地層処分については、世界各国で実現に向けて取り組みが進んでいるが、フィンランドは最終処分地を西海岸、ヘルシンキ北西200キロメートルに位置するオルキルオトに決定し、世界で最も早く建設が進むと期待されている。

フォルツム社は、国際的な総合エネルギー会社で、高レベル放射性廃棄物地層処分の事業主体であるポシバ社の共同運営会社2社のうちの1社。従業員数1万4803人。売上高1兆2300億円(2001年データによる。1ユーロ=118円で換算)。原子力発電所2基を保有し、低・中レベルの放射性廃棄物処分場の建設およびハンドリングをロビーサ(南海岸、ヘルシンキ東北東130キロメートル)で行っており、廃棄物の管理を国から任されている。

戸田建設は、フォルツム社(旧社名・ネステ社)と1978年に原油、LPG(液化石油ガス)の地下貯蔵の分野で技術協定を結んで以来、エネルギー分野で25年にわたり技術協力関係を継続している。今後はフォルツム社との継続的な人的交流により、放射性廃棄物の処分施設の技術について包括的に技術導入を図り、フィンランドの技術を軸に放射性廃棄物処分施設建設の技術課題に取り組む方針だ。


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