[原子力産業新聞] 2002年10月10日 第2156号 <3面>

[フィンランド] TVO、新規炉の入札要件公表

フィンランドで5基目になる原子炉の建設を計画しているティオリスーデン・ボイマ社(TVO)は9月30日、新規炉の入札要件を正式に発表した。

今年初頭に政府が原則決定したTVOの計画については、5月に同国議会もこれを承認。TVOとしては今世紀末までの操業開始を目標に国際競争入札の第一段階に取りかかったことになる。同社のM・パーヴォラ社長は、「市場では我が国の厳しい安全要求項目を満たせる炉型が多数入手可能なため、さまざまな代替案が考えられ、完成品のターンキー契約に限らず原子炉部分のみ、あるいはタービン系だけ数社から購入するということも可能だ」とコメント。TVOとしては出力100〜160万キロワットの軽水炉を希望していることを明らかにしている。

今後の予定としては、来春から入札文書の評価を始めるとともに、来年末をメドにオルキルオトとロビーサのどちらをサイトに選択するかや炉型を決定。建設認可を政府に申請するという計画だ。パーヴォラ社長はまた、新規計画のために新たな求人を開始したと発表。既存原子炉の操業と新規炉の建設を別部門で運営できるよう、入札期間中に既存のTVO組織と新規プロジェクト用の組織を拡充し、来年初頭から新体制で臨むとの考えを表明した。

なお、現地作業計画と認可申請の準備は2つのサイト候補地両方で進められているほか、同国の主な送電網を管理しているフィングリッド社が新規炉の完成を視野に入れた送電グリッド増強のために環境影響評価計画の策定準備を開始したと伝えられている。


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