[原子力産業新聞] 2002年10月26日 第2158号 <1面>

[マレーシア原子力庁] 「国際原子力会議」を開催

マレーシア原子力庁(MINT)は、国際原子力機関(IAEA)とアジア原子力協力フォーラム(FNCA)の協賛で、15日から参加者400人の「国際原子力会議」を開催。マハティール首相が開会の挨拶(=写真)をするなど、国を上げての会議で、日本からも10名以上が参加した。

モギー・エネルギー通信大臣によると、電力の72%を占めている天然ガスを、2010年までに49%に減らす一方、12%の石炭を41%に増やす計画で、温室効果ガス問題は気にしていない模様。また原子力発電は、廃棄物の処理処分、安全性の問題がクリアになっていないので、国として「最後のオプション」としている。

MINTでは、すでに1000キロキュリーのコバルト60による医療用具の滅菌、国際協力事業団(JICA)が供与した電子加速器を用いた熱収縮チューブなどの工業生産に成功していることに加え、天然ゴムの放射線架橋も実用化するなど、非電力分野の原子力利用が、国の発展に目に見える形で貢献している。

町末男・原産常務理事

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