[原子力産業新聞] 2002年10月26日 第2158号 <7面>

[三菱重工] スウェーデンからも機器受注

三菱重工業は23日、スウェーデンのリングハルス電力から、取り換え用の圧力容器上蓋2基を受注したと発表した。同社では先月、米ドミニオン電力から初の米国向け大型案件となった同型機器を受注したばかり。今回、欧州からも受注に成功したことで、原子力発電設備分野での国際展開を加速させていきたい考えだ。

受注した機器は、スウェーデン南西部ヨーテボリの南約60キロメートルにあるリングハルス原子力発電所3、4号機(出力各91万5000キロワット、WH社製PWR=写真手前)向けの2基。3号機は1981年9月に、4号機は83年11月にそれぞれ営業運転を開始し、設備の老朽化が進んだことから、圧力容器上蓋等の取り替えを実施することになったもの。引き渡し時期は2004年と2005年の予定で、現地発電所渡しとなる。機器の製作は三菱重工の神戸造船所が担当する。なお、今回の契約には据付工事は含まれていない。製作する上部原子炉容器は一体鍛造の低合金鋼製で、高さ約3メートル、直径約5メートルの半球型大型構造物。総重量は約60トン。

同社は1996年、今回の納入先であるリングハルス3、4号機に隣接して設置されている同2号機向けに、同型機器を納入した実績がある。今回の商談では、フランスおよびスペインなど欧州の有力メーカーも参加したが、このリングハルス2号機向けの取換用原子炉容器の品質、性能等の実績に加え、その後の技術開発も高く評価されたことが今回の契約に結びついた。

米国や欧州においては、今後とも既設原子力発電所の長寿命化に伴う主要機器の取替需要が見込まれることから、同社では引き続き海外市場へ積極的に受注活動を進めていく考え。


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