[原子力産業新聞] 2002年10月26日 第2158号 <9面>

[タンザニア] ザンジバル島のツェツェバエ根絶

1997年にタンザニアのザンジバル島で、ツェツェバエの根絶が宣言された。この成功のカギとなったのは、通常の方法でハエの数を減らした上で、原子力技術を使って不妊処置をされた何十万というオスのツェツェバエを野生環境に放ったことにある。OAUはこのザンジバルでのプログラムの成功を基に、2001年にブルキナ・ファソで、「アフリカ全土におけるツェツェバエとトリパノソーマ症撲滅運動(PATTEC)」を開始した。PATTECの地域コーディネーターでエチオピアのアディス・アベバに常駐するジョン・カバヨ氏は、「ツェツェバエの被害はこれ以上誇張できないほどひどい。世界で極端に貧しい国々が、アフリカのサハラ砂漠以南のツェツェバエ生息地に集中しているのは決して偶然ではない。しかし、ザンジバルは現状を打破した。これでどうすれば駆除できるのかがわかった」と述べた。

カバヨ氏によると、ザンジバル島の農業省は、ツェツェバエ駆除根絶プログラムが始まって以来、島の牛乳の生産量は3倍、地元の牛肉の生産量は2倍、堆肥を用いて穀物を生産する農民人口は5倍になった、と報告しているという。


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