[原子力産業新聞] 2002年10月31日 第2159号 <3面>

[OECD/NEA] 原子力発電量年率0.7%増

経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は先月、加盟諸国における原子力開発利用状況と将来予測についてまとめた「ニュークリア・エナジー・データ(通称=ブラウン・ブック)」の最新版を刊行した。

2002年版のブラウン・ブックでは各国から集計した原子力発電容量や発電量、原子燃料所要量などのデータを新たに表やカラー・グラフに編集したほか、巻末で各国の原子力開発における主要な動きについてまとめているのが特徴。2010年までの将来予測では、OECD加盟国全体で原子力による発電量は2001年実績の2兆1852億キロワット時(総発電量の23.9%)から年率平均0.7%増加していくと計算しており、2010年には2兆3163億キロワット時(21.1%)に達するとの見方を示している。

各国の原子力発電シェアは2001年実績で、フランスの76.1%を筆頭にベルギーの58.2%、スロバキアの53.4%、スウェーデンの43.9%、ハンガリーの39.6%、韓国の39.3%、スイスの37.5%と続き、日本は35.8%。以下、ドイツが30.5%、フィンランドが30.3%、スペインが27.3%、英国が23.7%、チェコが20.1%、米国が19.9%、カナダが11.9%、メキシコが4.2%、オランダの4.2%という順になっている。

原子力発電容量については2001年の3億470万キロワット(総設備の15.1%)が3億2760万キロワット(13.8%)に増加すると予測。現在、OECD諸国で稼働する原子炉数は360基だが、新たにチェコや日本、韓国、スロバキアで11基、1020万キロワットが建設中のほか、加盟国全体で12基、1360万キロワットの建設計画が確認されたとしている。


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