[原子力産業新聞] 2002年11月14日 第2161号 <2面>

[原子力委] 革新炉検討会の報告書、了承

原子力委員会は12日、研究開発専門部会の革新炉検討会がとりまとめた革新的原子力システムの研究開発の今後の進め方についての報告を受け了承した。

内外の状況をふまえ、今後革新的な原子力システムの開発にあたり、社会的ニーズを達成するための課題や官民の役割分担等について考え方を示し、また内外で研究開発されている革新型の原子炉概念等について整理して、コンセプトブックの形にとりまとめた。

報告は、「現行の軽水炉システムの持つ限界を超えることにより、エネルギーセキュリティの確保、原子力産業の活性化による技術基盤の維持、新産業の創出による経済社会への貢献及び社会的受容性の一層の向上といった社会的な目標を達成することを目指す」ことを革新型原子力システム開発の基本方向とし、重要視点として原子力が「エネルギーセキュリティの確保にこれまで以上に重要な役割を果たすことが求められている」とした。また、最近の景気低迷や新規立地難などの経済社会情勢を受け、原子力の技術基盤の維持や経済社会へのイノベーション(技術革新)の喚起のために、新たに注目されてきた視点として、「新しい市場開拓を通じた原子力産業の活性化、新産業の創出」を挙げている。市場を見据えて、国際的に評価され得る有望な自主技術を我が国に蓄積することも長期的に極めて重要な視点と強調し21世紀における革新的原子力システムの研究開発は、これらの視点を常に意識して進められていくべきとしている。


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