[原子力産業新聞] 2002年11月14日 第2161号 <3面>

[スペイン] ゾリタ原発を06年に閉鎖と決定

スペインの経済省は10月15日、同日付けで現在の運転認可が切れるホセ・カブレラ(ゾリタ)原子力発電所(=写真)(16万キロワット、PWR)を2006年4月30日で永久閉鎖すると発表した。同発電所は1969年に運開した。

スペインでは原子力発電所の運転認可に特定の年数規定がなく、認可の更新は各原子炉の状況に応じて2年〜10年の単位で延長されている。ゾリタ発電所はスペインで稼働する原子炉の中では最も古く、昨年は合計11億2700万キロワットを発電した。同炉を所有するウニオン・フェノーサ社は今回、同炉の運開後40年目にあたる2008年まで認可が更新されるよう申請していたが、同国の原子力安全委員会(CSN)は9月、同炉の運転に関する経費や機器の劣化に伴う諸問題を懸案した結果、06年の閉鎖を勧告。政府としてはこれを受け入れた形になった。

最近スペイン政府が承認した新しい国家エネルギー政策書によると、同国の電力消費量は今後10年間に年率3.5%で増加すると予想されている。しかし、これに対処する上で原子力が果たす役割は比較的小さいと指摘。天然ガスや石炭および石油による火力発電設備の割合をそれぞれ33.1%、15%、4.1%と予測する一方、原子力については19.4%に低下するとの見方を示している。


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