[原子力産業新聞] 2002年11月21日 第2162号 <3面>

[米・NRC] 従業員被曝、改善傾向に

米国原子力規制委員会(NRC)は先月、米国内の原子力施設における従業員被曝線量に関する年次報告書を公表し、2001年には商業用の原子力発電所104基で働く作業員の被曝線量が前年に比べて6%低下するなど、実績は年を追うごとに改善されつつあるとの現状を明らかにした。

今回で34回目を数える同報告書は、NRCの認可を受けた6つのカテゴリー(原子力発電所、燃料サイクル施設、独立の使用済み燃料貯蔵施設、低レベル放射性廃棄物処分サイト、X線撮影業者、放射性物質製造および販売業者)から報告された従業員被曝に関する情報をまとめたもの。商業用軽水炉で対象となった従業員数は合計10万4928名で、このうち5万2292名が実際に被曝したとしている。

分析の結果、2001年の1人当たりの年間平均被曝線量は0.16レムとなり、2000年実績から6%低下。この数値はNRCによる年間許容線量の3%に過ぎない。原子炉1基当たりで平均の集団被曝線量は107人・レムとなっており、こちらは前年から12%の低下となっている。

線量の低下傾向は83年あたりから続いているもので、その理由としては複数のファクターが考えられるとNRCの報告書は指摘。先ず第一に、電力会社が従業員の被曝する機会を減らすために被曝や作業テクニックなどに関する情報を積極的に収集・分かち合っている点を挙げた。

米原子力エネルギー協会(NEI)の専門家によれば、原子力産業界では従業員の安全と防護に対して継続的に多大な努力を傾注。「こうした努力は原子炉停止期間の短縮につながり、作業手順や管理、線量削減に関する情報交換などの改善を促した」と指摘している。


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