[原子力産業新聞] 2002年11月28日 第2163号 <4面>

[東京電力] 福島第一・3、4号機、応力腐食割れと推定

定期検査中の東京電力福島第一原子力発電所3・4号機(ともにBWR、78万4000キロワット)で、制御棒駆動水圧計配管(CRD配管)にひび等が発見されたことについて、東電は22日、その原因と対策についての報告書をとりまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。

東電では原因について、(1)格納容器内側CRD配管貫通部で発見されたひび割れについては、応力腐食割れに特徴的な破面が確認されたこと、破面から塩化物が確認されたことなどから、建設時に原子炉圧力容器が据付けられるまで、原子炉格納容器上部が開放されていたことによる海塩付着に起因する粒内型応力腐食割れが原因(2)格納容器外側CRD配管貫通部で発見されたひび割れについては、海水系ドレン配管に海水の滴下した痕跡がみられ、またひびの詳細観察を行ったところ、応力腐食割れに特徴的な指示が確認されたことから、滴下した海水に起因する粒内型応力腐食割れが原因。なお、海水系ドレン配管からの滴下については、点検口キャップが海水により経年劣化し、一部が腐食貫通した‐‐と、それぞれ推定している。

対策として、CRD配管の取替えおよび付着塩分量の測定および、海水系ドレン配管の取替えおよび構造変更を挙げている。


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