[原子力産業新聞] 2002年12月5日 第2164号 <2面>

[米・NRC] ITER復帰検討

米国研究評議会(NRC)は11月18、19の両日、首都ワシントンで「燃焼プラズマ評価委員会」を開催、ホワイトハウス事務局のマーバーガー科学技術政策室長(大統領科学補佐官=写真)が今後の核融合研究開発の方向性、特に国際熱核融合実験炉(ITER)への米国の再加盟等について講演を行った。

同室長は講演のなかで、核融合開発を次の段階に進めるためには燃焼プラズマ実験が必須と述べ、(1)燃焼プラズマの形成と制御(2)商業的に最適な閉じ込め技術‐‐の2点の開発が重要として、高エネルギー中性子に耐えうる材料開発やブランケット設計等は、燃焼プラズマの形成と制御が達成された後に重要になるとしている。

これを踏まえてブッシュ政権は、(1)米国はITERに復帰するのか(2)どのような条件が受け入れ可能か(3)燃焼プラズマ実験を行うためには核融合計画にどのような変更が必要か‐‐等を決定しなければならないとし、ITER復帰については、現加盟の三極が来年4月前後にもサイト、コスト分担、などに合意する見込みで、復帰するならば早期に行うべきだと述べた。

このうえで、燃焼プラズマ評価委員会に対して12月中旬までに、(1)燃焼プラズマ実験が必須であるか(2)ITER、FIRE、IGNITOR等のオプションの優先順位付け(3)燃焼プラズマ実験計画を行う上での科学・技術的基盤の評価と米国の磁気閉じ込め核融合計画の評価‐‐などの報告をまとめるよう求めた。同委員会のモロニー担当部長は本紙に、中間報告書は12月末までにまとまる予定だと述べている。


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