[原子力産業新聞] 2002年12月5日 第2164号 <3面>

[ロシア原子力学会] 共同でウラン生産事業

ロシア原子力学会が11月12日付けで伝えたところによると、ロシアのA・ルミャンツェフ原子力相は「来年にもカザフ、キルギス両国と共同でウラン生産事業を立ち上げる」ことを明らかにした。

これは同相が最近ギルギスを訪問した際、ウランの輸送など様々な手続き上の問題について交渉した後に公表された。このプロジェクトはすでに昨年、合意されていたもので、カザフで採掘したウラン鉱をキルギスのカラ・バルチンスク施設で濃縮し、ロシアに輸送する計画。ルミャンツェフ原子力相によれば「三者それぞれに利益のある事業」だという。

この関連ではまた、ロシアのM・カシャーノフ首相がアルメニアを訪問し、同国で唯一稼働するメザモール原子力発電所(=写真)2号機(40万8000キロワット、PWR)に「必要な時期に通常運転に必要なだけの原子燃料をロシアが供給する用意がある」と発言した。同発電所の操業に関しては、アルメニアからロシアの燃料会社に対して燃料代3200万ドル(約39億円)の支払いが滞っている状態で、新燃料の購入にはさらに750万ドル(9億円)が必要。それでもカシャーノフ首相は同発電所への燃料供給に大きな問題は無いとの見解を表明している。

メザモール発電所はアルメニアの総電力需要の35%を賄っており、その操業にはコンサルティングその他のサービスも含めてロシアの原子力企業が全面的に協力している。


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