[原子力産業新聞] 2003年1月7日 第2167号 <面>

[IAEA]保障措置妨害を実行

 国際原子力機関(IAEA)は、北朝鮮が十二月二十二日に寧辺にある電気出力五千キロワットの黒鉛実験炉と、その使用済み燃料プールから、保障措置用のシールを取り外し、監視機器を作動できないようにし、二十三、二十四日には燃料棒製造工場と再処理施設でも同様の行為を行ったと発表した。同プールには約八千本の使用済み燃料が貯蔵されており、「有意量の」プルトニウムが含まれており、米国の情報筋は核兵器五〜六個分(約三十`c)と予測している。

 北朝鮮はIAEAからの度重なる自制の呼びかけにも答えておらず、今回の北朝鮮の一方的行動により、同国内での保障措置の継続性が保てなくなるとIAEAは懸念している。

 米国務省のリーカー副報道官が二十三日の記者会見で述べたところによると、パウエル国務長官は関係諸国の外相と協議、北朝鮮の行動は国際社会への挑戦であり、このような行動は北朝鮮の孤立を深めるだけだとの認識で一致、平和的解決をめざすと述べながらも、「米政府は脅迫には屈しない」とし、北朝鮮は自らが結んだ条約や協定を守るべきであり、これについて交渉したり誘導策を取ったりはしないと述べた。


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