[原子力産業新聞] 2003年1月9日 第2168号 <1面>

[IAEA] 緊急理事会を開催

 国際原子力機関(IAEA)は6日、北朝鮮問題に関する緊急理事会(=写真)を開催、同理事会は、北朝鮮による保障措置機器等の一方的な撤去とIAEA査察官の国外追放を「最も強い表現で遺憾とする」とし、北朝鮮に対して、保障措置機能の回復と査察官の復帰などを求める決議を採択したが、国連安保理への報告は見送った。

 エルバラダイ事務局長は冒頭説明の中で、北朝鮮が1993年以来、長期にわたりIAEA保障措置協定を遵守してこなかったと指摘、最近の保障措置用シールの切断、監視カメラの妨害、査察官の追放などは、保障措置協定に定められた義務への挑戦だとした。さらに、これが核不拡散義務への違反が容認されうるといった「危険な前例」になりかねないと述べ、違反には妥協せず、一貫した姿勢で臨むべきだとした。

 同事務局長は、北朝鮮にもう一度その義務に従う機会を与えるとして、北朝鮮がこれに協力しない場合、IAEA憲章第十二条に従って国連安保理に報告する意向を示した。


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