[原子力産業新聞] 2003年1月9日 第2168号 <3面>

[加・カメコ社] BP社株を買い増し

 英ブリティッシュ・エナジー(BE)社の経営破綻に伴い、同社とともにカナダのブルース・パワー(BP)社に出資していたカメコ社は12月23日、BE社が保有していたBP社株82.4%のうち16.6%を新たに購入することになったと発表した。

 この措置により、カメコ社はこれまでの出資分15%と合計して31.6%のBP社株を保有することになる。今回、新たに天然ガス輸送企業であるトランスカナダ社と信託会社であるBPCジェネレーション・インフラストラクチャー・トラスト(BPC)がBE社の売却株82.4%からそれぞれ31.6%ずつ取得することになったもので、カメコを含む3社は同日、その旨を明記した協定に調印を済ませた。なお、残った2.6%は二つの労組が購入する予定で、これら労組の出資率はこれまでの2.6%と合わせて5.2%に達することになる。

 協定によるとカメコ社はBP社株買い増しのために約1億9800万カナダドルを支払う計算。既存の保有株式15%分については、今後の資本保証および財政保証の限度額も含めて同社の権利が守られるとしているほか、BP社に対する燃料供給の管理責任を引き続き負うことになる。また、BP社がオンタリオ・パワー・ジェネレーションズ(OPG)社からリース運転しているブルース原子力発電所の賃貸料繰延べ金2億2500万加ドルについては株の売買手続きが完了し次第、出資比率と同じ三分の一にあたる7500万加ドルを負担するとしている。

 手続きが完了すると、カナダ原子力安全委員会によるブルース原発の運転認可やOPG社へのリース料、大口顧客との電力売買協定などに関するカメコ社の財政保証額は合計で約2億加ドルになる見積り。同社は既存の信用貸付や現金でこれらを賄う考えだが、手続き完了時の自己資本に対する純負債は約20%に増加すると見られている。

 また、オンタリオ州の電力卸売価格で状況は異なるが、31.6%のBP社株によるカメコ社の税引き後収益は1株につき0.9〜1加ドルになる見込み。ただしこの場合、株の購入有効期日が1月1日と設定されることやブルースA発電所の二基が4月と6月に運転再開を果たすこと、87%の設備利用率達成などが条件だとしている。手続きが完了するのは2月14日になると予想されている。


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