[原子力産業新聞] 2003年1月9日 第2168号 <3面>

[加・CNSC] BP社に財政保証問題解決促す

 カナダ原子力安全委員会(CNSC)のL・キーン委員長は先月16日、ブルースB原子力発電所(各84万キロワット、CANDU炉4基)を操業するブルース・パワー(BP)社に対し、同社の大株主であるブリティッシュ・エナジー(BE)社が経営破綻したことに伴う財政保証問題を早急に解決するよう要請した。

 キーン委員長はCNSCの会合でこの問題が三度にわたって取り上げられたことに言及し、12月13日の会合ではブルースB発電所で財政保証という運転認可条件が満たされていない点に深刻な懸念が表明されたことを明らかにした。CNSCとしては代替策を模索するBP社の努力と認めた上で、問題は早急に解決されねばならないとの考えを表明。今回の要請が発電所の安全リスクに関する警告でなかったのは幸いだったと強調している。

 同委員長は今後、この問題に関する動静をCNSCが逐一見守っていく方針であるとし、1月15日の次回会合までにさらなる経過報告書を提出するようBP社に指示した。

 BP社は昨年初頭、同B発電所の四基について3年間で総額8億カナダドル(622億円)を投入する改修計画を発表した。しかし、同社株の8割以上を保有するBE社が経営破綻し、英国政府から緊急支援を受ける条件としてBP社に対する財政保証から手を引くことになったことから、今回の問題が浮上した。


Copyright (C) 2003 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.