[原子力産業新聞] 2003年1月16日 第2169号 <3面>

[ロシア原子力学会] イランに燃料供給

ロシア原子力学会が12月27日付けで伝えたところによると、ロシア原子力省(MINATOM)はイランで建設中のブシェール原子力発電所1号機(100万キロワット、VVER)用に原子燃料を供給する契約をイランと締結した。

これはイランを訪問したA.ルミャンツェフ原子力相が明らかにしたとされており、契約総額は約8億米ドル(952億円)。ロシアは今後も引き続き同発電所の建設を支援していくとの考えを改めて表明している。核不拡散上の懸念からロシアのイラン支援に疑問を呈している米国に対しては、「ブシェール発電所を完成させることは我が国の義務」と言明。両国の原子力分野における協力が平和利用に限られており、同発電所が国際的な合意事項に基づいて建設されている点を強調した。1号機の作業は概ね計画通りに進行しており、今年の末か04年の初頭には完成するとの見方を示している。

イランで建設する後続機に関しては、ロシア政府は昨年7月、100万キロワット級のVVERをブシェール・サイトに4基、アクハバスに2基、合計6基を2010年までに建設するという長期計画案の存在を明らかにした。イランに供給した原子燃料は使用済みになり次第、再処理もしくは貯蔵のためロシアに返還するということで昨年6月に両国が議定書を締結したとしており、この点が対イラン原子力協力において最も重要な条件であると訴えている。


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