[原子力産業新聞] 2003年1月23日 第2170号 <6面>

[島津製作所] 新型X線検出装置発売

島津製作所は14日、小型の食品などの異物検査に用いるカラー液晶モニタ内蔵で高感度、しかも、清掃性にすぐれたインラインX線異物検出装置(商品名・SLDX−2100XAS−WP/−HP=写真)の発売を開始した。

食品の加工工程での異物や異状の検出は、PL法に基づく製造物責任、HACCP(原料から最終製品化までの各加工工程での品質衛生管理)の普及、さらには最近の食品への異物混入事件の多発を契機とする、消費者の安全に対する関心の高まりなどに伴ない、ますます重要なものとなっている。このため、食品中の異物の有無を加工工程でチェックする装置の需要が高まっているという。

とりわけ、金属検知機では検査できないアルミパッケージ入り食品検査では、石・ガラス・硬質プラスチックなどの異物が検出できるX線検出装置が金属探知機に置き換わって普及しつつあり、2002年の市場規模は2年前の約2倍の約50億円になると推定されている。

新発売のX線異物検出装置は、最大検査幅235ミリ、最大検査高さ120ミリの小型検査物検査用の装置で、X線貫通型フラットコンベアで食品を搬送しながらX線を透過させ、ラインセンサーで透過像を検出して画像を解析し、異物混入や内容物の過不足の有無を自動判別する。

WP型は、X線管電圧50キロボルト(出力100ワット)、HP型は85キロボルトkV(出力255ワット)のハイパワー型で、小型普及機ながら高い検出感度をもつのが特長だ。

マンマシンインターフェイスにWindowsを採用し、操作を行うタッチパネルは12.1インチの大型カラー液晶モニターとし、透視画像がカラータッチパネル内に8.5インチの大きさで表示されるなど、操作性が大幅に向上した。

また自社開発の「256ミリ幅アモルファスシリコンラインセンサー」と画像処理ソフトにより、直径が0.2ミリ×1ミリのステンレスが検出できる高感度を実現した。

さらにコンベア室の扉が150度以上開き、コンベアベルト、コンベアフレーム、出入り口ナマリノレンなどがワンタッチで着脱できるため、食品製造ラインで重要な検査装置の清掃作業が非常に簡単になった。設置面積も800ミリ×600ミリと非常に軽量コンパクトとした。

SLDX−2100XAS−WPは620万円で、初年度の販売計画は50台。SLDX−2100XAS−HPは680万円で初年度の販売計画は180台。


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